熱化学方程式ちょっと難しい問題編(旧課程)

 令和6年6月12日追記:

 お読みいただきありがとうございます。

 現行の教育課程では,熱化学の扱いが変わっており,ここで書かれている「熱化学方程式」は教科書から消えています。したがって,現行過程に合わせた内容に書き換えるべきですが,おいおい時間を見つけてやろうと思います。しばらくお待ちください。

 

 この授業はちょっと前の高校2年生(五年生)の授業内容です。

 今日は中和熱と溶解熱の絡んだ問題と,複雑なエネルギー図を作る方法,そしてボルンハーバーサイクルを紹介しました。問題文をしっかり読んで解かなければいけない問題と,状況をしっかり把握しなければとんでもない誤解をする問題もありました。今日の受講生は…ウン,ガンバレ!ということで。自分が現役の高校生の頃はできませんでした。しっかり!自分(笑)。

 一問目は中和で発生する熱が氷に移動するという問題です。中和している水溶液の温度が18°Cのまま。中和熱によって氷が融解して0°Cの水に変わったあと,18°Cまで温度が上がることを読み取る問題。異なる温度のものが二つあると高温物体から低温物体に熱が移動してしまいますので,最終的に氷は水溶液と同じ18°Cになりますよ。

 二問目。いくつかの熱化学方程式が並んでいて,これらからエタノールの燃焼熱を出すのですが,連立方程式っぽくやろうとすると轟沈必至。エネルギー図で乗り切る方法を紹介しました。このエネルギー図はなかなか書けないと思います!
 
「つながっているものを探す」がポイントです。大昔,滋賀医科大学に似た問題を見たことがあります。熱化学方程式が10本以上並んでいて,いくつか不要な式もあって,どれが必要かを見極めないといけないのです。見た瞬間「アカン」と思ったものです。四半世紀以上前の話ですが(笑)。

 数問やって最後にイオン結晶の格子エネルギーを考える「ボルンハーバーサイクル」の問題を紹介。塩素原子の電子親和力が与えられていないことがポイントです。型にはまった問題ではなく,苦労する人が多い問題です。エネルギー図をきちんと書くのが一番の近道だということが分かればいいと思います。全体をきちんと書いて初めて必要な計算が見えてきます。最後の問題の板書は「あえて」少し雑に書きました。自分で考えないとできるようにはならんので。

 そのあとは高校三年生の化学。生徒たちは危機感に押し潰されて呆然としている…のではなくて単に疲れ切っている雰囲気でした。緊張感がない…。能力はある子たちですから最後はきちんと結果を出してくれると信じています。私が諦めないことが大事かと。最後まで面倒見ます!

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