mol計算から濃度計算へ

 今日は高校一年生にmol計算の復習と濃度計算の基本を紹介。

始めはmolを起点にして質量や分子・原子の個数,気体の体積へ換算する方法を見直してもらいました。浪人生で化学基礎を受ける子たちが毎年詰まるところですね。だからこそどこでみんなが行き詰まるか知り尽くしています。


 どんな単位が与えられていてもまずはmolにした方が後で楽です。式を一本にして計算しましょう。計算スピードが遅い人がいますが,その原因の大半が割り算。割り算が遅い人は掛け算が遅いです。掛け算が正確に早くできるといいですね。
(ちなみにmolと言っていますけれど本当は物質量と言わないといけません)

 計算のやり方は好みが分かれると思いますが,上の位からやって足した方がいいと生徒には言っています。例えばこんな風ですね。分かるかな?

 掛け算が早くなれば自然と割り算も早くなりますよ。機会があれば計算のコツを特集しましょう。

そのあとは濃度計算の問題へ。生徒の都合で時間を短縮しましたので,やることを精選しました。「硫酸銅(Ⅱ)五水和物」を水に溶かしたときの計算まで欲張ってやりました。こんな問題ですよ。

水和水というのがどんなものか悩ましいようです。イオン結晶はときに水を含んでいることがあります。水は結晶の構造を保つ性質があり,加熱して結晶に含まれている水を蒸発させると結晶構造が崩れてただの粉末になってしまいます。「硫酸銅(Ⅱ)五水和物」だときれいな青い結晶だったのが白い粉末になってしまいます(資料集や教科書で必ずチェックしましょう!)。

 「硫酸銅(Ⅱ)五水和物」を水に溶かすと,水和水は周りの溶媒,つまり「水」と同化します。CuSO4だけが溶質になります。一個の「硫酸銅(Ⅱ)五水和物」が水に溶けると,CuSO4が一個できます。「硫酸銅(Ⅱ)五水和物」が1molあると250gですが,下の板書の通りCuSO4は160gになることにも注意しましょう!

 こういうのはきちんと図や式を書いた方が早くわかりますよ!

 まだまだ始まったばかりで基礎トレーニングが続きます。次回は濃度計算をもう少し練習・ステップアップして,複雑な計算問題にチャレンジしてもらおうかな。アボガドロ定数を求める問題とか。これは三重大学で出ていますよ!

 来週の授業が今から楽しみです。お疲れ様でした!

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