最近の文明の発達が原因で,子どもたちの字を書く能力が下がっているように感じています。私もパソコンで文章を書くようになって,ペンで字を書くとなると,書くスピードが遅くなっているのに気づいて恐ろしくなります。
あと,漢字が出てこなくなるんですね。怖いです。
活字離れが問題になっています。何でも映像で情報を入れられる時代になり,いちいち文章を読まなくてもよくなってしまいました。便利に見えてこれは恐ろしいと思っています。
人間は字を獲得して,自分たちの考えたことを文字にして保存することができるようになったわけです。自分の考えたことを言葉にして,さらに文章にするのです。
結構面倒な作業です。字を書くと肩も凝るし。パソコンもかなりからだにダメージがあると思いますが。
パソコンを積極的に使い始めたのは25年ほど前ですが,当時は手で字を書いた方が早い状況でした。レポートもできれば手書きをしたい!と思う人間でした。
しかし,予備校で教えるようになってプリントをつくる段になると,手書きよりパソコンできちんとレイアウトされたプリントのほうが生徒の受けがいいと分かりました。また,使いまわすのも可能になります。自分で作ったプリントですが,簡単にコピー&ペーストができます。
いまではパソコンで書いた方がはるかに速く文章が書けるようになりました。推敲も簡単です。
コンピューターの仕組みを知らなくても活用できます。色々と楽しめるようになってきています。だんだんブラックボックス化しています。そうすると仕組みなんてどうでもよくなるのです。楽しければいいや。考えなくても楽しいからいいのだ。
これは大変危険な流れだと思います。字で自分の考えを書く習慣をつくってほしいと思います。言葉で自分の考えを発信する訓練をしてください。人は言葉でモノを考えて,それを字にして保存したり人に伝えるわけです。こうして人間は文化をつくってきました。
言葉を大事にしてほしい。本当に思います。
ご意見・ご感想など頂けると幸いです。
ONゼミナール代表 大手予備校化学科講師 長田 俊将